地域歯科医療ってなんだろう ②

南区真金町 田中歯科医院 院長 田中五郎

例えば、「噛む」と言う事です。「噛む」ことは食べたものを噛みちぎってすり潰すだけでなく、その行為によって咀嚼筋群や表情筋群と言われる顔面の筋肉を大きく動かす事になります。また、それによって脳の血流量を増大させる効果もあります。次に「唾液」です。よく噛めば唾液がたくさん出ます。よく噛んで唾液を混ぜることでお口の中で消化が始まり、胃や腸の消化、吸収を促進します。そして、口は身体の入り口ですから身体に悪いものが入ろうとしたときには防御しなければなりません。その時に活躍するのが唾液の免疫作用や殺菌作用です。そして唾液の中の免疫物質を作るのが腸管免疫機構で、よく噛んで食べたものが、長い腸を通るときに身体に悪いものを読み取って免疫物質を作るシステムなのです。この様に噛むと言う事、唾液を出すと言う事は、全身にも影響する大切な行為なのです。

また、口の中を清潔にすることも重要です。虫歯や歯槽膿漏の予防だけでなく、口の中、全体のバイ菌数を減らしますので、肺炎になりにくくなります。抵抗力が落ちた方にとって肺炎は命取りになる病気です。命を守るためにもお口の中を清潔に保つことが必要になるのです。

この様に噛むこと、唾液を出すこと、お口の中を清潔に保つ事はとても重要なのです。出来れば早めに、歯が悪くならないように予防し、歯が無くなってしまったらちゃんと歯を入れてしっかり噛める環境を作り、障害を持ってしまったらリハビリを行うことが必要になります。

 お口のことで何か困った事、わからない事がありましたら、南区歯科医師会では相談窓口がありますので、是非早めに遠慮無くご連絡ください。(南区歯科医師会 地域歯科医療相談窓口:ナガタ歯科 045-721-4422)